引直し計算とは?
引直し計算とは、利息制限法の上限利率を超える部分を含む金銭消費貸借の取引について、借入・返済の取引履歴(取引履歴がない場合は推定される取引内容)に基づき、利息制限法の上限金利によって再計算をすることを言います。
任意整理や過払い請求において、この引直し計算により、債務金額を大幅に減額したり、お金が戻ってきたりすることがあり、債務整理における重要な手段になっています。
問題は、引直し計算の前提となる法律関係により、必ずしも自動的に答えが出るとは限らないことです。
例えば、みなし弁済が成立するかどうか(成立しない場合が大半)、成立しない場合に悪意の受益者といえるかどうか(過払金に5%がつくかどうか。平成18年1月13日以降の過払金では成立しないのが通常)、途中で残高が0になった場合はどうか(一連計算か別個計算か)、複数取引で過払金と残債務が両立する場合の相殺の遡及計算、途中で延滞等により期限の利益を喪失して遅延損害金が発生しているかどうか、などにより、引直し計算後の金額が変わります。
このため、過払い請求や任意整理においては、可能な限りの法的技術を駆使して、有利な条件により過払金の高額回収を行い、残債務も減額幅の拡大に努める弁護士に依頼するとよいでしょう。