過払い請求の動向と,当事務所の過払い金取得実績(24年5-9月)
■過払い請求の動向
過払い請求については,何年も前から(たとえば平成20年ころでも),もう直ぐ減る,来年から大幅に減少する,いずれ無くなる,などと言われていました。しかし,実際には,平成22年6月の改正貸金業法の完全施行に向けた所得調査で同年初めから増加し,武富士破たんの影響で平成23年2月(債権届出期日)に向けて再び増加するなど,なかなか減らないまま,平成23年2,3月ころまで高水準が続いていました。
しかし,その後の減少は大きいようです。
他の経営弁護士からの情報でも
・債務整理案件の大幅な減少
・過払い事件がほとんどなくなり,クレサラ案件が激減
・今年を越えられるか心配
・事件担価が約3割減少した,少額過払い案件が増えている
・債務整理事件から通常事件への移行に努力している
など,過払い・債務整理の減少ないし激減の声をよく聞きます。
他方,
・地方だからか,債務整理が思ったほど減っていない
・まだまだ,過払い請求を中心に運営している
という弁護士の声も少数ですが聞きます。
全体として,大きな減少傾向にあることは間違いないと判断します。
■当事務所の過払い金返還請求の実績
今年4月までの実績は報告済ですが,1月以降の実績を開示します。
1月 1289万6608円
2月 191万6416円
3月 674万4148円
4月 701万7000円
5月 919万0000円
6月 861万9238円
7月 1552万5000円
8月 1366万2000円
9月 1740万4000円
(1-9月) 9297万4410円
昨年,一昨年(平成22-23年)と2年続けて約2億円を取得したことに比較すると,過払い金の取得額は大幅に減少しています。
平成24年1-6月の上期実績4638万円に対して,7-12月の見込額は9500万円以上と倍増する予定ですが,通年でも約1億5000万円の取得見込み(前年比▲25%)であり,25年以降は更に減少する見通しです。
ごく一部の事務所を除いて,過払い金返還請求は峠を越えたようです。