離婚・結婚は共に記録的な減少=2011年の人口動態推計
政府・厚生労働省は2011年の人口動態推計を発表しました。
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PressRelease報道資料PDF
このうち、離婚件数の推計値は23万5千件(離婚者数の推計値は47万人)と、平成10年以来、13年ぶりに25万件(50万人)を割り込みました。前年比で6.5%の減少であり、ピーク(平成14年の約29万件)からは19%の減少です。
これは、震災の影響で家族の絆の大切さが重視され、離婚減少・家庭重視の流れが定着したものだと評価する人もいるようです。実際、離婚率は減少傾向にあります。
しかし、他の数字を見ると、必ずしも、そのようにばかりは評価できない面もあるようです。
すなわち、離婚件数のみならず、婚姻件数も大きく減って67万件となりました。前年比4.3%の減少であり、ピーク(昭和47年の約110万件)比では41%の減少です。
推計値通りの67万件であれば、婚姻件数は統計開始の昭和22年以来、最低の数値です。また、70万件を割ったのは、統計開始以降、昭和26年から29年、昭和62年の5回しかなく、昨年が6回目、ということになります。
人口も戦後最大の減少幅を大きく更新して、20万4千人の減少となり、死亡者数も人口の約1%となる126万1千人と推計されています。
細かいデータ等は下記サイトからのリンク先(エクセルシート等)をご参照ください。
平成23年(2011)人口動態統計の年間推計
・統計表
・第1表 人口動態総覧の年次推移
・第2表 人口動態総覧(率)の年次推移
・関連資料・・・人口動態総覧(率)の国際比較等
・表
・図1 出生数及び合計特殊出生率の年次推移
・図2 死亡数及び死亡率の年次推移
・図3 自然増減数の年次推移
・図4 婚姻件数及び婚姻率の年次推移
・図5 離婚件数及び離婚率の年次推移
ちなみに、離婚に関する過去の詳細なデータの整理は、平成20年までのデータを整理したものとして、下記があります。
平成21年度「離婚に関する統計」の概況:離婚の年次推移
これを見ると、同居期間が長い、いわゆる熟年離婚の比率が平成以降、高まっていることが分かります(一番下の図9ご参照)。
また、裁判離婚の比率は徐々に高まっていること(図7)、大阪は協議離婚の比率が高いことが分かります(表2=平成7年、12年、17年、20年いずれも沖縄県に次ぐ第2位)。