武富士の会社更生の状況(配当率3.3%の見込みと清算リスク)
本日の日経新聞電子版は、武富士の過払い金弁済率が3.3%になる見込みであることを伝えています。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819591E3E6E2E29A8DE3E6E2E5E0E2E3E39790E3E2E2E2;at=DGXZZO0195165008122009000000
なお、返済開始時期は年末ごろ開始予定であり、その後の資産処分(本社売却など)により被担保債権額以上の資金が得られた場合などには、2回目の弁済が行われる可能性も排除されないようです。
他方、週刊ダイヤモンドは2つの理由から、武富士が清算に至る可能性を指摘しています。
http://diamond.jp/articles/-/13068
1つは、会社更生手続きにおける配当率が低く、清算の方が配当率が高くなる、という主張が債権者から出ていること、もう一つはスポンサーであるA&Pフィナンシャルの資金調達の困難です。
私(弁護士重次)自身は、配当率を5%未満、3%から4%前後と見込んでいましたが、3.3%という本日の日経の報道通りであれば、予想された事態とはいえ、相当に低い配当率を想定していることになります。武富士の会社更生手続きに対して、清算を主張する債権者が増える可能性が充分にあると感じています。
【追記】
毎日新聞jpでは、2回目の上乗せ支払いの可能性について、みなし弁済が認められることを前提として計上した利益に対する法人税課税の還付請求(約2000億円)や、創業家ら旧経営陣に対する損害賠償請求を挙げています。もっとも、還付請求や損害賠償は訴訟まで行わなければ実現困難であり、「どこまで上乗せできるかは不透明な情勢」と報じています。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110716ddm008020201000c.html