個人による過払い請求・・・債務者本人が個人で過払い金返還請求を出来ますか?
本人による過払い金返還請求のQ&A
(質問)数年前に完済した借金について過払い金の請求をしようと思います。弁護士などの専門家に相談せず,個人で,つまり,本人が自分自身で過払い請求を行うことは可能でしょうか?
(回答)はい。自分自身でも過払い請求を行うことは可能です。
ただ,手取り金額が少なくなったり,手間や期間がかかる場合が多いため,個人での過払い請求は,現在ではお勧めできません。
かつて(平成19年か20年の前半くらいまで)は,勉強して熱心に交渉することで,個人でも過払い請求を上手く出来る例があったようです。しかし,現在では本人交渉では金額が少なくされたり,入金日までの期間を長くされることになりやすく,不利だと思います。
実は,大手の消費者金融の多くが,交渉相手を弁護士,司法書士,本人という場合に分けて,それぞれ,どの程度の期間であれば,どの程度の割合の金額を返還する,という社内規定のマトリックスを持っています。
もちろん,同じ期間であれば,金額は弁護士>司法書士>本人となります。
また,同じ返還割合であれば,期間は本人>司法書士>弁護士となっています。
近時,貸金業者は過払い金の満額返還について強く抵抗するようになり,弁護士が窓口になっていても,5%の利息を付した金額を取り返すには,訴訟提起が必要になります。訴訟において,貸金業者は膨大な主張資料を提出してきます。あまり意味のない資料も多いのですが,反論が必要な資料と無意味な資料を分け,効率的かつ的確な反論を行って早期に訴訟を終結させることは,本人では非常に困難でしょう。
弁護士費用を支払っても,弁護士に依頼した方が手取りが多いケースがほとんど全部だと思います。