交通事故と保険
交通事故により,加害者が被害者に対して負う損害賠償については,保険によって支払われることがほとんどです。保険には,強制保険である自動車損害賠償保険(自賠責)と任意保険の2種類があります。
任意保険は,自賠責保険の不足額を負担する任意で加入する自動車保険です。任意保険の補償の範囲は,加入している保険によりますが,対人賠償,自損事故,対物賠償,無保険車傷害,搭乗者傷害,車両損害などにわたります。任意保険の付保率は,非常に高く,登録車両の約70%,実際に走行している車両については,90%を超えているとも言われています。
したがって,交通事故においては,一般的に,加害者の資力の有無を考慮する必要はないと考えられます。
任意保険には,保険契約者が交通事故等の被害にあった場合に弁護士費用が保険から支払われるという弁護士費用特約(大阪弁護士会ではこう呼んでいます)がある場合があります。 特に,日弁連と協定を締結している損害保険会社の被保険者は,日弁連・弁護士会から弁護士の紹介を受けることができます(LAC制度)。
なお,交通事故であっても,加害者が自転車の場合は,加害者が保険に加入していることはほとんどなく,加害者の資力によっては,損害賠償を充分に受けられない可能性があります。