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遺言により、保険の受取人を変更できますか?

できます(ただし、一定のリスクがあります)。

保険の受取人の変更を遺言で出来るかどうか、について、かつては商法に規定が無く、判例・学説でも見解が分かれていました。そこで、遺言による変更を行わない方が安全でした。

今日においては、改正保険法44条において明文の規定があり、保険金受取人の変更を遺言により出来ることが明記されています(同条1項)。もっとも、保険会社に二重払いの危険があるため、契約者の死亡後に、相続人のうちの一人(又は遺言執行者)が保険会社に通知しなければ、遺言による変更を保険会社に対抗できないことも明記されました(同条2項)。

以上から、遺言による保険受取人の変更は可能ではあるが、相続人か遺言執行者からの通知が必要になるため、特に受取人を第三者に変更する場合には、遺言執行人を選定しない限り、リスクが大きいことになります。

遺言による保険受取人変更については、保険会社のホームページなどにも解説があります。一例として、http://www.himawari-life.com/contract/info/info10.html

上記の保険法改正規定は、平成20年5月30日成立・同年6月6日交付、平成22年4月1日施行です。

書籍によっては、しっかりした発行元からの弁護士による遺言の著書であっても、上記改正を踏まえず、遺言による生命保険受取人変更ができない、と記載されているものもありますので、注意が必要です(誤記の例として、財団法人大蔵財務協会発行、弁護士久島和夫著「遺言のすすめ」(平成22年8月30日初版発行)、44頁など。なお、同書については、発行元および著者弁護士の事務所に対して誤記の内容を連絡済です)。

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