任意整理とは
任意整理とは、債務整理のうち、裁判所を通さないで、当事者双方の合意によって債務を整理する手続きを言います。
弁護士が介入する場合、弁護士からの受任通知を貸金業者に発送し、取引履歴の開示を受けて、利息制限法の制限を超える取引については引直し計算(制限利率による再計算)を行い、法律上返済すべき債務を確定した上で、どのような条件で返済するか、貸金業者と交渉します。
分割返済の合意をする場合、通常は36回から60回程度までが限度ですが、貸金業者やそれまでの取引内容、債務者の事情などによっては、72回(6年)や84回(7年)で合意に至るケースもあります(当事務所での最近の最高回数は98回です・・・平成22年11月合意)。
大阪弁護士会の統一基準によれば、最終取引日の元金について、利息なしで分割返済をすることになります。従来は殆どの案件について、統一基準により処理していました。
しかし、統一基準に法的拘束力はなく、近時は経営状況が厳しい貸金業者を中心に、経過利息を要求されたり、将来利息まで要求されるケースも増加しています。また、予告なく訴訟提起に踏み切る貸金業者も増えてきました。
もっとも、訴訟提起した場合でも、多くは裁判上の和解や、和解に代わる決定により、分割弁済に応じるケースが通常です。
なお、日弁連の債務整理事件処理の規律を定める規程によれば、任意整理事件とは、債権者が債務者に対して有すると見られる債権について、弁済の額、方法等について裁判外で債権者と交渉して処理する事件をいいます。それには、債権者との取引について、利息制限法(昭和29年法律第100号)が定める利息の利率による引直し計算をした結果、債務者が、債権者に対して債務を負担しないこととなる場合及び過払金債権を有することとなる場合の事件を含みます(同規程第2条3号)