Q 歩道上を通行する自転車の歩行者に対する注意義務の内容を教えてください
歩行者は、歩道や路側帯(あわせて歩道等)と車道との区別がある道路
においては、原則として歩道等を通行しなければならないとされます。
(道路交通法10条2項)
他方、自転車は車道通行が原則で(同法17条1項)、歩道通行は例外として
認められるに過ぎず(同法63条の4第一項)、その場合でも徐行義務と
歩行者の通行を妨げることになる場合の一時停止義務を課します(同条2項)。
歩道上での自転車と歩行者の事故の場合、
自転車が100%の責任を負う場合も多く、
歩行者側の過失相殺が認められる場合でも、
10~20%程度に留まることが多いので、
自転車の責任が重いと言えるでしょう。
近時、自転車による交通事故が増加しています。このため、歩行者と自転車との事故、自転車同士の事故の裁判例が増えており、事例ごとの過失相殺割合などについてまとめた書物が出版されました。
自転車事故 過失相殺の分析(副題 歩行者と自転車との事故・自転車同士の事故の裁判例)
財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部 過失相殺研究部会 編著 出版元 株式会社ぎょうせい
です。なお、自動車と自転車の事故における過失相殺の割合については、自動車と歩行者と同様、赤い本や別冊判例タイムズをご参照ください。