Q 任意整理のメリット・デメリットを教えてください
■メリット
①債務の軽減・利息負担の軽減
ア 多くの場合、利息制限法の制限を越える取引があり、引直し計算後の金額で和解することで、債務が大幅に減額できる場合があります。
イ 和解についても、多くの場合、利息なしで元金のみを36回から60回くらいの分割返済する和解を結びますので、破産を回避しつつ、利払い負担を削減できます。ただし、債権者の合意があっての手続きであり、近時は経過利息や将来利息を要求する業者、さらに遅延損害金まで含め短期で返済するよう請求する業者も少数ですが増えつつあります(フクホー、Jトラスト、みずほトラスト保証、ネオラインキャピタルなど)。
②財産処分による配当を強制されない
③手続き負担が軽い 破産や個人再生では大量の書類の用意が必要ですが、任意整理は比較的簡易な手続きです。債務者の負担が軽くなります。
④裁判所を通さない手続きで相手方との合意による処理ですから、柔軟な対応が可能です。例えば、業務に不可欠な自動車のローンを除外する、といった対応も可能です。
⑤破産のような資格制限(例:弁護士、司法書士、保険外交員、警備員)がありません。
■デメリット
①破産や個人再生に比べて、債務の減額は小さくなり、通常は少なくとも引直し計算後の元金については、100%返済が必要です(事情により、一括支払いなら2割程度の減額ができる場合があります。また、業者によって大幅な減額が出来る場合があります。逆にメリット④イでも触れたように、遅延損害金も含め一括ないし短期での返済を要求する業者も最近は出てきました)。
②債権者の合意が必要
③破産・個人再生より軽いとはいっても、いわゆるブラックリスト(個人信用情報への事故情報)の掲載がある。