過払い請求の消滅時効を10年とした最判昭55.1.24
過払い金返還請求権の消滅時効が10年になることを示した重要判決です。
消滅時効は、一般的には10年ですが(民法167条)、商行為による債権では5年です(商法522条)。
そこで、過払い請求の元となる金銭消費貸借取引が商行為である場合の、過払い金返還請求権(=不当利得返還請求権)の消滅時効期間が10年か5年かが問題となります。
この最高裁判決により、元となる消費貸借の消滅時効期間が5年の場合でも、過払い金返還請求権は10年であることが明らかになり、過払い請求者に有利な解釈が確定しました。
(最高裁ホームページの要旨紹介)
商行為である金銭消費貸借に関し利息制限法所定の制限を超えて支払われた利息・損害金についての不当利得返還請求権の消滅時効期間は、一〇年と解すべきである。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=53316&hanreiKbn=01
なお、同じ日に過払い請求に関係する別の重要判決(準消費貸借契約の元本に関する判決)が最高裁から出ています。