過払金の充当や損害金の上限に関する最判昭43.10.29
この本件も非常に重要な本件です。最高裁ホームページの1~4に従い、重要な1・2・4を説明します。
1 まず、複数貸付がある場合、利息制限法の制限利率を超過する金利支払い分が、他の貸付に充当されることを示した点が画期的です。
この判決により、1つの貸付金が制限利率で計算すると完済になり、さらに過払いが発生している場合、その過払い金と他の貸付金は併存するのではなく、過払い金は他の貸付金に充当されるのが原則となります。
過払い金の利息は5%まで、貸付金の利息は15~20%までですから、併存計算より充当計算された方が、一般的に債務者に有利です。
2 1の充当計算について、当事者の主張を要さず、裁判所が職権で判断できるとしました。
4 利息制限法の制限利率を超える利息の約定があるが、損害金の規定がない場合、損害金の上限は制限利率の1.46倍ではなく、利息制限法の上限利率が適用される、としました。
損害金は規定があれば、上限利率の1.46倍まで認めらますが、規定がない場合のルールが明確になり、債務者に有利な判断となりました。
(最高裁ホームページの要旨紹介)