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法人倒産の動向と,金融円滑化法利用後破たんの急増

日本での個人破産申立は,2003年の24万2849件をピークとして大幅に減少し,2011年(速報値)では10万0735件と半分以下(▲59%)に減っている。

(個人破産)
2003年 24万2849件(ピーク)
2009年 12万6533件(ピーク比▲47.9%)=法人等のピーク年
2011年 10万0735件(ピーク比▲58.5%)

他方,個人以外=法人等の破産件数は,2003年の8,951件以降も増え続け,2009年には1万1424件のピークを付けた。この年の12月に施行された金融円滑化法の影響であろうか,その後は法人等の破産も減少に転じ,2011年(速報値)では,9714件(ピーク比▲15%)になっている。

(法人等の破産)
2003年   8951件(個人ピーク)
2009年 1万1424件(ピーク)
2010年 1万0220件(ピーク比▲10.5%)
2011年   9714件(ピーク比▲15.0%)

  → 破産件数の推移 平成23年まで

この減少について,金融円滑化法の成功であるとの指摘もある。

他方,足元の動向をみると,金融円滑化法利用後の倒産が顕著に増えている。

 → 帝国データバンク 第7回 「金融円滑化法利用後倒産」の動向調査

上記調査の表題は「金融円滑化法利用後倒産,累計484件」。副題が,~9月は36件判明,昨年の2倍超のペースで推移~

実際は,上記帝国データバンク調査レポートの棒グラフを見て頂けると一目瞭然だろう。円滑化法利用後倒産が,2012年の後半に入り,顕著に増加している。

これには,銀行が条件変更に応じず倒産に至ったケースもあれば,金融機関が支援を前向きに進めている過程で本業不振が深刻化するケースもあるようだ。

同種の調査レポートは,東京商工リサーチからも公表されている。

 → 2012年1-9月「中小企業金融円滑化法」に基づく貸付条件変更利用後の倒産動向

~ 前年同期比48.6%増の162件 9月までで前年1年間を上回る ~
とされる。

こちらでも,今年の1-9月で,昨年1年間の150件を上回る162件(前年同期比+48.6%)が把握されている。

金融機関の条件変更による資金繰り下支えがあっても,そもそもの本業での業績回復が進まずに破たんするケースが増えている傾向が明らかだ。

2012年上半期(4-9月)は前年比減少が続いていた。
 → 帝国データバンク
 → 東京商工リサーチ

しかし,円滑化法利用後倒産の増加に加えて,全体の倒産件数も底打ちの予兆があり,来年の円滑化法終了後に向けて,法人等の破たんが増加する可能性があることは留意が必要だろう。

なお,セーフティネット保証融資制度では来月(24年11月)から原則全業種指定が終了して業種指定が厳しくなる。また,東日本大震災復興緊急保障制度も25年3月で終了する。来年の倒産動向には注視が必要だと思う。

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金融円滑化法(中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律。通称、中小企業金融円滑化法,又は金融円滑化法)は、2008年=平成20年のリーマンショック後の急激な金融経済環境の悪化による中小企業や住宅ローン債務者の資金繰り悪化などに対応するため、中小企業や住宅ローンの借り手が返済条件の軽減を求めた場合に、金融機関にできる限り貸付の条件変更を行う努力義務を課しすことなどを内容とする法律です。

平成21年12月に施行され、既に二回延長され、平成24年3月までに約290万件の実行があったそうですが、利用した約40万社のうち約8割が再度の猶予を申し込むなど、事業の改善が必ずしも進んでおらず、平成25年3月で期限を迎えるため、その後の中小企業の倒産増加が懸念されています。

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直近の経済情勢,特に倒産の増減状況を判断するうえで,帝国データバンクと東京商工リサーチがホームページ上で公開しているデータは極めて有用です。この分野に力を入れる破産・再生関係の弁護士には,データを参考にされることをお勧めします。

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