武富士再建 A&Pファイナンシャルに優先交渉権
過払い請求などにより経営が悪化し、昨年10月末より東京地裁で会社更生手続き中(申立ては9月)の武富士について、韓国の消費者金融A&Pファイナンシャルが再建支援の優先交渉権を得たと報道されています。
入札価格は数百億円と伝えられており、届出過払い請求権者の得る配当率については、余り大きな増加は見込めません。
武富士は消費者金融大手で、業界トップにもなり、東証一部上場企業にもなりました。
他方、厳しい取立て活動が多いことでも知られ、それを批判する言論活動に対する著名弁護士を立てた名誉毀損訴訟が逆に不当訴訟とされたり、悪質な取立てやその隠蔽により金融庁から業務改善命令を受けるなど、取立ての実態について業界の評判悪化の一翼を担いました。
また、これらの企業体質から銀行支援も受けにくく、もともと明確なメイン銀行を持たなかったこともあり、グレーゾーン金利受領・みなし弁済の要件を厳しく認定する最高裁判決以降、過払い金の支払いと、引直し計算による営業資産の評価減により、財務内容とキャッシュフローが大幅に悪化し、支援銀行もない中、昨年9月、会社更生法適用を申立て、同年10月末より会社更生手続きに入っていました。