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破産管財事件と管財人経験交流会

当事務所では,破産管財関係の事件に積極的に取り組んでいます。

 

【管財事件とは】

破産管財事件とは,文字通り,破産手続きにおいて管財人が選任される事件です。

破産者が給与所得者であって不動産などの財産処分もない場合などでは,破産申立をしても管財人が選任されない場合もあります。

管財人が選任されない事件を,一般的に「同廃事件」と呼びます。

同廃は同時廃止の略です。

破産の開始決定と同時に,廃止決定(配当手続き費用を支弁する財産もないため,配当手続きをしないことが決定される)が出されるため,同時廃止事件,同廃事件と呼ばれます。同廃事件として申し立てられた事件でも同時廃止とならず,管財人が選任されないまま異時廃止となる事件もあります。管財人を選任すべきか,裁判所が審尋などの後に判断する場合などが該当します。同廃事件として申立てがされても,裁判所の判断などにより管財人が選任されて,管財事件に移行する場合もあります。

 

【当事務所の現状】

現在,管財関係の事件を3種類とも受任しています。

一つは,裁判所から破産管財人として選任されている事件です。公的立場で事件を処理します。

もう一つは,破産申立代理人として,裁判所に事件を申し立てる側(破産者)の代理人となる事件です。

最後の一つは,余り多くはありませんが,破産管財人が相手方となる事件で,申立代理人以外のものです。例えば,破産者が申立前に訴訟中だった事件は管財人に引き継がれますので,相手方は管財人を相手に訴訟を継続することになります。また,管財人が破産申立後に訴訟を提起して場合の,相手方の代理人となる場合もあります。

現在,当事務所では,以上の3種類とも,事件を受任しています。代表弁護士が銀行出身で金融実務経験が長いため,今後もこの分野には積極的に取り組んでいこうと考えています。

 

破産管財関係の仕事で,現在,当事務所で最も多いのは,申立人代理人としての仕事です。しかし,まだ,事務所が小規模であるため,大きな事件は他の事務所を紹介するようにしています。

 

当事務所の弁護士数が5人程度になって,かつ,各自が一定の経験を積んだ時点において,代表弁護士の銀行業務経験がダイレクトに活用できる法人の管財事件を積極的に受任しようと考えています。管財人側,申立代理人側の双方について,積極対応の予定です。

 

【管財人交流会】

昨日(25.11.13),大阪弁護士会館の12階で大阪弁護士会司法委員会倒産部会が主催する管財人経験交流会があり,当事務所の弁護士も参加しました。

総合コメンテーターは管財人業務に通暁している小寺史郎弁護士,チューターとして丹派浩介弁護士,浜田真樹弁護士,森本純弁護士が参加されました。

大阪弁護士会では,定期的にこのような管財人の交流会を行って,管財人の相互研鑽とレベルアップに努めています。

今回,テーマとなった件は,換価関係としては,買い手が付きにくい地方の不動産処分,共有持分の処分,営業権(のれん)の評価,回収可能性の調査の程度,否認関係としては配偶者名義の保険,自由財産拡張関係では直前処分の対価が残っていないケースの対応,申立後に申告のあった預金,免責関係では浪費の場合の積み立て,直前に引き出された預金の使途確認,その他としては,管財人の強引な財団組入れ,失敗談や善後策などの経験談,財産調査や換価と関係しない業務(廃業届など)をどこまでするか,などでした。

 

大阪弁護士会では,裁判所とも連携して破産管財書式についての出版活動のサポートもしています。「破産管財手続の運用と書式」(CD-ROM付,大阪地方裁判所・大阪弁護士会破産管財運用検討プロジェクトチーム編,新日本法規)は大阪で破産管財事件を処理する弁護士には必携の書籍です。

また,大阪弁護士会の会報に連載されている大阪地方裁判所第6民事部(破産再生部)の「はい6民です お答えします」をまとめた,「破産・個人再生の実務Q&A」(大阪弁護士協同組合発行)も参考になります。

破産再生業務について,ノウハウの蓄積・共有により,より透明性が高く,公正で,かつ迅速,スムーズな破産再生の手続き進行がなされるよう,努力を続けていこうと考えています。

 

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