過払い請求の動向
過払い請求の動向について,本日,2つの情報を提供します。
1 アコムへの過払い請求件数(+45%,過去最高レベル)
10日(本日)の発表によれば,23年2月の過払い請求件数は,前年同月比約45%増の約1万6500件となり,過去最高水準の2009年3月と同水準となった模様です。
アコムは武富士と並んで歴史が古く,プロミスと比較すると過払い請求の負担や武富士の影響が大きいものと推察されます。
武富士破たんの影響が,プロミスには比較的小さかったが,アコムには相当に大きかったといえるでしょう。
本日,アコムの株価は前日比▲117円(▲8.87%)の1202円となり,他の消費者金融の株価も大きく値を下げました(プロミス▲6.43%,アイフル▲9.52%)。
2 コンサル情報
過払い請求は,武富士の破たんの影響を受けて,余り減っておらず,思ったより高水準で維持されている。ただし、首都圏では沈静化の方向にある。東京の債務整理系の法律事務所が次々に地方都市に支部を開設しており,東京とは逆に,地方において過払い請求の増加の可能性がある。司法書士において,債務整理・過払い請求の依頼件数の減少傾向が強い。
(当事務所での印象)
例年,相談件数の少ない1・2月も,コンスタントに過払い請求の依頼が続いています。昨年は3月に大口の相談が激増しましたが,3月は昨年よりも今のところ少ない印象で,1・2・3月合計で,ほぼ前年並みとなりそうな印象です。
過払い請求が訴訟になるケースや,さらに判決後に控訴されるケースが増えているため,司法書士への依頼が減り,弁護士への依頼にシフトしており,特定の事務所に過払い請求の依頼が集中する傾向が進んでいるように思います。