交通事故弁護士のミッション 裁判基準(訴訟基準)での賠償金額獲得
交通事故弁護士のミッションは,保険会社が本人に呈示する低額な保険基準の賠償額ではなく,訴訟基準(裁判基準・弁護士基準)により,正当な賠償額を勝ち取ることにあります。
別の記事で,人身傷害事件における主な損害賠償項目として,①治療費,②休業損害,③入通院慰謝料,④後遺障害慰謝料,⑤後遺障害による逸失利益,の5つを挙げました。
まず,裁判基準と保険基準で後遺障害慰謝料がどの程度違うか,を見ましょう。
【後遺障害慰謝料】 裁判基準(大阪) vs 自賠責基準
大阪地方裁判所における後遺障害慰謝料の裁判基準は,「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準(第二版)」(大阪地裁民事交通訴訟研究会編著,判例タイムズ社)の10頁に記載されています。
また,自賠責の基準額は,いわゆる「赤い本」=「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)や「青い本」などに詳しく記載されています。
上記一覧表の通り,3級以上の等級では,自賠責と裁判では,後遺障害の慰謝料だけで,基準額に1000万円以上の差があります。
また,7級以下の等級では,差額は621万円以下ですが,裁判基準は自賠責基準の2.5倍以上(+152%以上)であり,14級では何と3.4倍(+244%)も違います。
任意保険基準は会社によって異なりますが,他の項目との合算で,自賠責と同額か,+アルファでまとめようとする傾向があります。
このため,交通事故の被害者は,保険会社の提示額でそのまま示談・和解せず,弁護士に相談・委任して,裁判基準で和解するか,交通事故紛争処理センターや訴訟対応により,裁判基準による賠償金額を勝ち取るべきです。
交通事故弁護士は,かかる賠償金額の違いについての啓蒙活動を行い,かつ,被害者の依頼に応じて,保険基準より遥かに高い裁判基準による示談金(損害賠償金)を獲得することが,弁護士としてのミッションであり,社会的使命です。
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