Q 消費者金融とカード会社で、過払い請求にかかる時間は違いますか?
A 手続きの段階ごとに、かかる時間が異なります。
1 取引履歴開示にかかる時間
取引履歴開示までの時間は、平均すると消費者金融の方が相当早いです(平均2ヶ月程度)。
消費者金融の開示は一般的には10日~1ヶ月程度であるのに対して、カード会社の場合には、加盟店からの集計に時間がかかるなどのため、1ヶ月~3ヵ月半程度かかります。
さらに、カード会社では、整理された履歴を開示せず、ショッピング・カードローン・キャッシングが混ざった元帳をどっさり送ってくるところがあり、項目分けと計算に時間がかかる場合があります(三井住友カード、りそなカード、アメックスなど)。
このため、取引履歴の開示を経て、引直し計算により金額を確定するまでの期間は、カード会社の方が、平均で約2ヶ月程度も遅くなります。
従って、訴訟せず金額を譲歩して早期和解をする場合、消費者金融の方が早く終了する可能性が出てきます。計算が出るまでは、譲歩の用意があっても和解のやりようがないからです。
2 計算後に、過払金が入金されるまでの期間
これは、会社による差異が大きいので一概には言えません。
満額回収を求めて訴訟提起した場合には、平均すれと、カード会社の方が早く和解に応じる傾向があります(2ヶ月程度)。しかし、消費者金融とカード会社の差異よりも、会社別や事例別の差異の方が大きいものです。
例えば、経営の苦しい消費者金融は、なかなか和解に応じず、判決まで行くケースが多くなります。
また、古い取引履歴がない場合には推定計算になり、時間がかかります。空白期間がある場合で一連計算か個別計算に争いがある場合も長引く要因になります。
3 ご参考
訴訟を提起して、入金日までの5%の利息を付けた満額回収をするのに、どの程度の期間を要するか、については、下記の記事もご参照ください。すべてが満額回収ではありませんが、当事務所では大半が入金日までの5%付利計算によっています。(アイフルについては、入金日まで5%付利で10割回収分、元金のみ10割回収分、大幅減額分が混ざっています)
「過払い請求にかかる時間(23年1月入金分の分析)」
http://www.shigetsugu-law.com/news/detail.html?type=editdisplay&id=4656
満額回収を目指す場合、結果的に、消費者金融もカード会社もほぼ7,8ヶ月かかっている、というのが23年1月入金分の分析結果です。