自己破産と過払い請求 その2
自己破産(同時廃止事件)での過払金の取扱いについて、大阪地裁の基準を説明します。
管財人が付かない自己破産の同時廃止事件について、大阪地方裁判所(本庁第6民事部)では平成19年3月6日に「破産事件における過払金の取扱いについて」という文書を作成配布して、処理基準を公表しました。
1 調査対象取引 7年前の年の1月1日より前に開始された取引(平成23年の申立てであれば、平成15年12月末以前に取引が開始された取引)。ただし、利息制限法の制限利率の範囲内の取引や、住所不明の闇金については調査を求めません。
2 金額による対応
(1)過払金の額面額が30万円未満の場合 回収不要であり、そのまま同時廃止決定がされます。
(2)過払金の額面額が30万円以上の場合 申立代理人が過払金を回収する必要があります。
ア 過払金の残額(回収費用報酬等を差引いた金額)が100万円を超える場合 管財事件に移行します。管財事件において裁判所に納める予納金等は過払金の中から出すことができます。
イ 過払金の残額が20万円以上100万円以下の場合 申立代理人が過払金を回収して、債権者に按分弁済をすることで同時廃止決定を出すことができます。
ウ 過払金の残額が20万円未満の場合 按分弁済も必要ありません。