アプラスへの過払い請求
貸金業者別に過払い請求の動向をご案内しています。
今回は,アプラスです。社名の変更,組織再編の経過に注意が必要な貸金業者です。(24.11時点)。
1 会社沿革
アプラスは組織再編と社名変更を行っており,旧アプラスは現アプラスフィナンシャルに,旧アプラスクレジットが現アプラスに商号変更していますので,注意が必要です。
すなわち,平成22年4月1日,旧株式会社アプラス(現アプラスフィナンシャル)は,旧株式会社アプラスクレジット(現アプラス)と株式会社アプラスパーソナルローンに吸収分割により事業を承継させました。
旧アプラスクレジット(現アプラス)は信販事業を中心に承継し,消費者金融事業のうち「Aカード」及び「α倶楽部カード」に係るものと,信用保証事業のうち住宅ローンに係るものを除いて,旧アプラスの事業のすべてを承継(クレジットカードに付随するキャッシング業務を含む)しました。一方,アプラスパーソナルローンは,カードローンや証書貸付などの消費者金融事業を承継しました。
このため,アプラスに対する過払い請求は,現在のアプラス又はアプラスパーソナルローンに対して行うことになります。
2 訴訟提起前での和解
訴訟提起前段階での過払金の返還は,5%の過払い金利息を付加した金額の9割程度で和解できることもあります。
しかしながら,争点のある事案については,訴訟外での和解は難しく,訴訟提起後も訴訟が長引く傾向にあります。
3 和解から入金までの期間
アプラスへの高額請求の場合,和解から入金までの期間は3か月半から4か月はかかります。
アプラスパーソナルローンへの高額請求の場合は,入金までの期間は,和解成立から入金まで4か月から7か月以上です。
4 訴訟提起後の対応
アプラス,アプラスパーソナルローンともに,争点のない事案については,対応は柔軟です。
しかし,アプラスに関しては,キャッシング取引に1回払いとリボ払い取引が混在している場合は,各取引を別個に計算すべきだとして,訴訟代理人が就き,訴訟が長引く傾向にあります。
5 キャッシング以外の取引
アプラスは,クレジットカード会社ですので,キャッシング以外にショッピングの利用をしていることもあります。ショッピングの立替金債務は利息制限法の対象ではありませんので,キャッシング取引の過払い金と相殺することになります。