為替デリバティブ動向 ~海外判決とADR~
1 豪連邦裁判所がS&PとANBアムロの責任を認める判決
豪州連邦裁判所は2012年5月5日,米国大手格付会社S&P,ANBアムロ銀行(オランダ),ローカル・ガバメント・フィナンシャル・サービシーズに,デリバティブ商品を購入した自治体に対する損害賠償金の支払いを命じました。この商品はトリブルAの格付けでしたが,9割を超える損失を出し,無価値に近くなりました。
→ ロイター記事
→ Bloomberg 記事(日本語,英文記事要約)
→ Bloomberg 記事(英語)
→ 日経記事
ロイターは「今回の裁判結果が世界で今後行われる訴訟の判例となる可能性がある」と伝えており,日本でも問題となっている仕組債等のデリバティブ商品の争訟,訴訟に影響を与えそうです。
上記判決を受けて,S&Pの親会社であるマグロウヒル社の株価は急落しています。
リーマンショックの原因となったデリバティブ問題において,最も責任を負うべき主体の一つである格付会社の責任が今後も厳しく問われる可能性があります。
デリバティブ規制調査については,→ 経産省委託調査
2.韓国KIKO訴訟(銀行に6~7割の負担を命じた)
以前より,ネットでも紹介されていた韓国KIKO訴訟(→ネット記事)について,近時,日本の弁護士グループがコンサルティング会社の助力も得て,韓国弁護団と情報交換の場を持ち,サイトでも情報提供を始めています。
→ 本杉弁護士の記事
ADRの近時の動向も合わせ,下記ページの後半にも記載してありますので,ご参照ください。
→ 為替デリバティブ 近時の雑感(24.11)・・・ADRや海外の動向など