不自然な訂正の入った後遺障害診断書の再作成を求め,併合5級を獲得した事例

【大腿骨骨折,偽関節】後遺障害の併合5級,1574万円獲得した事例

被害者
70代女性,無職(一人暮らし),大阪市在住
傷病等
大腿骨顆上骨折,偽関節,左下肢短縮,腰椎圧迫骨折等
後遺障害等級
併合5級
基本過失割合
(0%~)80%
手続き種類
後遺障害診断書の再作成依頼,自賠責保険の被害者請求
交通事故の概要
交差点での四輪車と被害自転車の追突事故。信号機の表示に争いがあったが,調書上は不利だった(被害者の基本過失割合80%,修正要因考慮後50%)。全国でグループを作る交通事故に強い弁護士(当事務所が所属する全国交通事故弁護団とは別のグループです)に依頼したが動きが止まり,当事務所に相談に来た。後遺障害診断書に不自然な訂正があった(訂正前なら上位等級が取れるが,訂正後はギリギリで取れない)。
解決内容
  • 1 後遺障害診断書の可動域測定値は,訂正前は患側が健側の2分の1以下だが,訂正後は2分の1を上回っていた。医師は測定せず,補助者も退職して訂正経緯が分からず,医師による可動域測定と診断書再作成を依頼した。
  • 2 再作成後の後遺障害診断書に基づき自賠責保険に後遺障害部分の被害者請求をしたところ,併合5級で1574万円を獲得できた(偽関節7級,下肢3関節とも可動域2分の1以下(各10級が3つ,同一系列)で8級,併合で5級)
コメント
  • 1 後遺障害診断書の可動域測定の誤りや不正確は要注意です。本件では,補助者が目分量で測り,不自然な訂正までありました。股関節では,訂正後は2分の1をわずかに上回りました。なお,訂正前も医師の測定でも,2分の1を大きく下回り,10級が取れました。他の関節も含め,不正が疑われる事案でした。当事務所から不自然な訂正を指摘し,再測定・再作成の結果,上位等級が取れました。
  • 2 大腿骨の偽関節(7級)は後遺障害での判断基準が厳しくなっています。「異常可動を示す状態」を「ゆ合不全」として,長管骨の保持性,支持性を加味して判断します。本件は固定術を施しており,偽関節7級の認定が得られるか心配しましたが,固定部のねじが神経を圧迫して痛みが激しいが,高齢で再手術できない悲惨な状態であり,認定を得ることが出来ました。

※股関節の可動域制限では,「屈曲+伸展」「外転+内転」の合計を見ます(他動値で比較)。患側が健側の2分の1以下であれば10級となります。本件では,訂正前で「外転+内転」は健側50度,患側18度で2分の1以下でしたが,訂正後は35度,20度で2分の1を超えています。参考値である外旋左(患側)では,訂正前は他動(10度)より自動(20度)が値が高いなど,極めて不自然な測定値です。なお,プライバシー保護のため,訂正印はデータ上抹消しています。